最新作『無人地帯 No Man's Zone』(2012)
〜福島第一原発事故、失われゆく風景、そこに生きて来た人々〜
第62回ベルリン国際映画祭フォーラム部門正式出品作品

3/12/2012

3.11から一年、富岡町の浄林寺さんによる慰霊の法話

こちらのリンクでお聞き頂けます。日本人はみんな聞いた方がいい

大震災の一周年の日は、いわき市にいました。

慰霊祭を撮影させて下さった、富岡町から避難されているいわき市泉玉露仮設住宅の皆さん、どうもありがとうございました。

しかし日本の仏教の坊さんは、いろんな意味で凄い。なにこの説得力ある語り(あえてマイクなし)。

一口に「被災地」と言っても、それぞれに様々な立場があるはずだが、それを総括して恐らくは誰もが納得するレベルで1年間の困難の「意味」を語ることが出来るのは、やはりまだお寺の機能がちゃんと果たされて来た経験を、ご自身が今の困難を「精進」と受け止めているからだろう。

無論、主な聞き手はお年寄りであり、だから「若い人達とひとつ屋根で暮すことの出来なくなった辛さ」という言及になるのだろうが、それは簡単に子どもたちの世代の側から読み替えることも出来よう。

とくに9分あたりからの、ご本人が「悪口雑言」とおっしゃる下り、まったく持ってその通り。野田総理にも絶対に聞かせたい。

「自分達が今をどう生きるのか、その生き様こそが最大の供養である」という、その言葉を胸に富岡町のみなさん、警戒区域から避難させられたままの人達が生き抜いていくことを、居合わせた部外者として願わずにはいられない。