最新作『無人地帯 No Man's Zone』(2012)
〜福島第一原発事故、失われゆく風景、そこに生きて来た人々〜
第62回ベルリン国際映画祭フォーラム部門正式出品作品

8/06/2009

64回めの原爆忌に



U2のアルバム『原子爆弾を解体する方法 How to Dismantle an Atomic Bomb』から、Sometimes You Can't Make It on Your Ownをなんとなく聴く。

このU2の中でもっとも純度の高いラブソングは、“強さ” だけに依存して来た加害者がやっとその力の行使の道義的責任を認め、やっと世界が核廃絶に本気で向かおうとしつつある今だから、このアルバムのなかにあるのがふさわしい歌なのかもしれない。

Tough, you think you've got the stuff
You're telling me and anyone
You're hard enough

You don't have to put up a fight
You don't have to always be right
Let me take some of the punches
For you tonight

Listen to me now
I need to let you know
You don't have to go it alone


And it's you when I look in the mirror
And it's you when I don't pick up the phone
Sometimes you can't make it on your own

We fight all the time
You and I...that's alright
We're the same soul
I don't need...I don't need to hear you say
That if we weren't so alike
You'd like me a whole lot more

Listen to me now
I need to let you know
You don't have to go it alone

And it's you when I look in the mirror
And it's you when I don't pick up the phone
Sometimes you can't make it on your own


I know that we don't talk
I'm sick of it all
Can - you - hear - me - when - I -
Sing, you're the reason I sing
You're the reason why the opera is in me...

Where are we now?
Still got to let you know
A house still doesn't make a home
Don't leave me here alone...

And it's you when I look in the mirror
And it's you that makes it hard to let go
Sometimes you can't make it on your own
Sometimes you can't make it
The best you can do is to fake it
Sometimes you can't make it on your own


タフだね、あなたは必要な力は持ってると思っている
あなたはそう言う、僕にも、皆にも
自分は十分に強いんだと

でもいつも戦うことなんてない
いつも正しくなければなんてことはない
今夜はあなたの代わりに
僕がパンチを食らってもいい

今は僕の言葉を聞いてくれ
あなたに分かって欲しいんだ
一人で戦わなきゃなんてことはないと

そして僕が鏡を見る時、そこににいるのはあなた
僕が電話をとらない時、その向こうにいるのはあなた
時に人は、一人ではなにも成し遂げられない

僕たちはいつも喧嘩する
あなたと僕、それでいいんだ
二人は同じ魂だから
今さらいいんだ、もう言わなくていい
二人がこんなにそっくりでなければ
僕のことをもっと好きになれただろうなんて

今は僕の言葉を聞いてくれ
あなたに分かって欲しいんだ
一人で戦わなきゃなんてことはないと

そして僕が鏡を見る時、そこににいるのはあなた
僕が電話をとらない時、その向こうにいるのはあなた
時に人は、一人ではなにも成し遂げられない

二人がもう口を聞いてないことも分かってる
それが僕にはうんざりだ
あなたには聞こえてるだろうか
僕が歌っているのを。僕が歌う理由はあなただ
あなたがいたから、僕のなかにはオペラがある

二人は今どこにいるんだ?
あなたに分かって欲しいんだ
家という建物はそれだけじゃ家にならない
僕をここに一人にしないでくれ…

そして僕が鏡を見る時、そこににいるのはあなた
僕が電話をとらない時、その向こうにいるのはあなた
時に人は、一人ではなにも成し遂げられない
時にはなにもできない
せいぜい自分を騙してやってくだけだ
時に人は、一人ではなにも成し遂げられないんだ


しかしそれにしてもいい曲、そして素晴らしい歌詞。

一応、Bonoが父親を想定して書いた曲だそうですが、親子にも、恋愛にも、友情にも、世界平和にさえ当てはまるような。

もちろんこの歌の中の「You」にアメリカを想定するとかそういう陳腐な解釈のことではない。だいたい鏡のなかに「I」が見るのが「You」であり、「同じ魂」なのだから。

権利料払えるだけのお金があれば、今撮っている映画のエンディングで使いたいほど。ある意味でテーマのすべてをすでに言い当てているような気もする。

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