最新作『無人地帯 No Man's Zone』(2012)
〜福島第一原発事故、失われゆく風景、そこに生きて来た人々〜
第62回ベルリン国際映画祭フォーラム部門正式出品作品
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9/05/2012

竹島領有権問題で、日本が勝つことはあり得ない

韓国の李明博大統領が竹島(韓国名・独島)を訪問して騒ぎになってまもないなか、一週間ソウルに滞在して来た。

無論これ自体は不人気に苦しむ政権末期の、それも「在日二世」のアキレス腱を抱える氏の、分かり易いパフォーマンスでしかなかったわけだし、この状況だから反日感情が…だなんて気にすることはない。

夏休みの観光シーズンのなか、ソウルの名所には日本人観光客が大勢訪れ、万事平和だし、僕は李さんのことより、与党の次期大統領候補が朴正煕の娘であることの方がよほど気になって、韓国の若い女性たち相手に、こればかり口走っていた。

「お年寄りが好きみたいなんですよね、うちの父とか」と若い女性たちの多くは呆れ気味。独裁者の父の七光り、言ってる中身は中身がないし、だいたいファッションセンスもダサ過ぎるし。

ソウルの前に、先月初旬にブラジルのサンパウロに行った際に、旧日本兵であった韓国人移民のキムさんに出会った。


ニューギニアで多数の死者を出したソウルが拠点の自分の師団の顛末を調べあげ、朴正煕の政治腐敗で恩給支払いどころか、その存在すら日本政府が認めないことに、強い怒りを持ち続け、現代の韓国も許せない、と思って生きて来た、今は独り暮らしの老人だ。

キムさんとは、朴正煕と岸信介は悪いやっちゃ、という話で盛り上がったこともあり(なにしろ自民党政権と癒着し、恩給も個人賠償(というか要は未払い給料や労災等)も一切チャラ、という話にしたのが朴正煕だ)、その娘の、なんら政治的な定見すら持たないいいかげんな保守が、「韓国初の女性大統領」とはちゃんちゃらおかしい、と頭に来ているのである。

とはいえ話題の竹島問題、野田政権は国際司法裁判所に共同提訴を韓国に呼びかけ、断られれば日本の単独提訴も辞さない、という態度だ。

国際司法裁判所の権限の制約から来る手続き上の問題(主権国家どうしの係争の裁定機関なのだから、国連機関で世界最高峰の国際法司法の権威と言えども、その主権を侵害する強制力はない)、公式には「独島は韓国領、領土問題など存在しない」と表明している韓国政府が、「存在しない領土問題」で提訴するのは論理矛盾なのだし、断るのは当たり前の話なのだが、それを「韓国けしからん」世論に吹聴する、あまり基礎知識のないマスメディアもあり、今まで共同提訴の拒否で話を終わらせて来た日本政府が、今度は単独提訴も辞さない姿勢だ。

単独で一方的に提訴した場合、韓国側には拒否した説明責任が生ずる。

ここで「そんな問題はないのだが、では日本の誤解を解くために裁判に出よう」と韓国側が言い出しそうな気配もあり、ちょっと興味を持って調べてみた。

日本政府の見解は「竹島が日本領であることは国際法上明らかだ」である。

だから裁判になれば日本が勝てるのに韓国が逃げている、というメディアの論調も、まああまりに幼稚な話だ。先方だって同じくらい法的な根拠は当然準備するし、だから双方それなりの正当性の理論武装が双方にあるのは分かり切った話だし、裁判はお互いの「正当性」のぶつかり合いだ。日本政府の見解が「国際法上明らか」だから国際司法裁判所の判事も同意する、なんてほど生易しいはずはない。

僕は韓国語(朝鮮語)は分からないから先方の根拠を検証するのも無理だ。

だからとりあえず我が外務省の見解を、今まで「国際法上明らかだ」とは聞いていたものの、どんなものか調べてみたわけである…

…と言うところで、椅子から転げ落ちてひっくり返るほど驚いた。

外務省のいう「国際法上、竹島は日本領」の根拠は、もっとしっかりしたものだと思っていた。なんと言ったって、優秀な外交官たちは、国際法だってよく知っているはずなのが…

ところがその第一の主張が、なんと中学生の社会科の知識であっけなく論破される話なのだ。そんなものが「最大の根拠」だと言うのだ!

外務省の言う、竹島が日本領である最大の根拠とは…

…サンフランシスコ講和条約でそう決まっている、というのだ。

なんなのだろう、この子供騙しの「大本営発表」は?

同講和条約の締結国に、交戦国ではなかった韓国/北朝鮮は含まれてないではないか。

締結していない国には、条約の直接の遵守義務なぞ、あろうはずもないのが、言うまでもなく国際法の常識だ。

署名もしていない契約書で金を払わされるなんてことがないのと同様の、当たり前の社会常識だ。

韓国は別個の和平なり講和なりの国交回復条約が必要だった相手であり、またサンフランシスコ講和条約の締結国ではない韓国に、その順守義務は当然ながらない。

その日韓関係を原則拘束しない条約が…日韓の領土係争で日本領と主張する根拠?

だってそれ、原則サンフランシスコ講和条約の適用外だろう?締結国でない韓国には、遵守義務がないのだから。

65年締結の日韓基本条約は確かにサンフランシスコ条約を踏まえてはいる。とはいえそれは「想起する」という極めて曖昧で拘束力の弱い話であり、領土規定の詳細を左右するような話ではない。要は日本が半島の領有権を放棄して韓国の主権を認める、極東国際軍事法廷の判決を受け入れる等々、という程度の理念的な話だ。

また65年の条約で明記されない以上、52年の李承晩ライン(竹島の実力占拠)は法の不遡及により、対象にならない。

いやそんな条約の効力の範囲以前に、サンフランシスコ講和条約には決して、同条約で戦後日本の領土を確定させるとは書かれていない。

領土に関しての条文は、あくまで「日本がこの条約で放棄する領土」だ。

これが唯一単独の日本の戦争の講和条約ならともかく、まだ「戦前の領土 マイナス 放棄する領土 イコール 戦後の日本」と言いきれる段階でなかったことは、子供にだって分かる。

これで戦後処理が完了するならともかく、韓国も北朝鮮も、交戦国だったソ連も締結国でなく、中華民国はすでに台湾に逃れていた時代なのだし、最大の交戦国であり最大の戦争被害国を継承/代表する中華人民共和国もそこに含まれない。

これらの国との講和が実現しない限り、日本が敗戦により放棄すべき領土は、確定するはずがない、というのがごく当たり前の国際法解釈だ。

そんな常識をひっくり返すような非常識な恣意的な解釈のどこが、「国際法上、明らかに日本領」なんだろう?

この眉唾な話になんとか説得力を持たせようとしてなのか?外務省のサイトはわざわざ、こんなページまで設けているのだが…

  外務省 「サンフランシスコ講和条約における竹島の扱い」

どうか読んでますます驚かないで欲しい。

要は「アメリカが竹島を日本領とするために、韓国の要請を断ったのだから、竹島は日本領なのだ」としか書いていない。

アメリカがどうしたと言うんだ?「日本の竹島領有は明らか」なのは国際法上じゃなかったのか?

これまたご丁寧にも、韓国の、日本に竹島も放棄させるようとの要請を断った国務副長官名義の韓国大使への書簡を、わざわざ「ラスク書簡」(ラスクとは当時の副長官の名)と題して、原文のPDFまで載せているのだから笑える。

たかがアメリカの一官吏の手紙にこれほどの権威付けを求めるのは、独立国として正気の沙汰ではない。

日韓という二つの主権国家の問題は、アメリカが宗主国の植民地か属国でもあるまいし、同国が口出しすべきことではない。

また外務省がご大層に「これぞ日本領の証拠」と言わんばかりに奉る文書が、竹島を日本が放棄し韓国領となるべき土地と認めない根拠とは、

ドク島、または竹島ないしリアンクール岩として知られる島に関しては、この通常無人である岩島は、我々の情報によれば朝鮮の一部として取り扱われたことが決してなく、1905年頃から日本の島根県隠岐島支庁の管轄下にある。この島は、かつて朝鮮によって領有権の主張がなされたとは見られない (外務省訳)

と、言うことに過ぎない。

なのに「これらのやり取りを踏まえれば、竹島は我が国の領土であるということが肯定されていることは明らかです」と外務省は主張する。

「一体どこが?」と呆れるしかない。

わざわざこれが将来に渡って拘束力を持ち、アメリカに責任が派生することを防ぐため、「我々の情報によれば」と限定を明記した話でしかない上に、1905年の日本による領有宣言もあえて記述せず(つまりその権限は認めず)「1905年頃から日本の島根県隠岐島支庁の管轄下」と、これまた極めて遠慮した話だ。

つまり「朝鮮によって領有権の主張がなされたとは見られない」と言うのなら、この「ラスク書簡」は実は日本政府が公式に領有を主張したことも、認定していないのだ。

またなんでもこの「我々の情報」とは、ワシントンDCで調べただけのことに過ぎないらしい。当時日本を占領し、韓国には米軍が国連軍として駐留していたというのに、現地で文献調査すらしていない。

そしていずれにせよ、しょせんは、アメリカの見解に過ぎないものが、である。

「アメリカが肯定している」から「日本の領土であることが明らか」になるわけがないだろうに。しかもアメリカ一国の見解に過ぎず、「国際法上」ではまったくない。しかもこの文書の文明自体、極めて遠慮がちで、要は「巻き込まれたくない」という意思表示と読解するのが、外交の常識だ。

これがいったいなんの根拠になるのか?「とりあえずアメリカとしては韓国領とはみなせない」という見解表明に過ぎないものが、外務省が「日本が放棄する領土」の条文を「日本の領土を決める」と無理筋に読み替えるという解釈の説明もなしに、決定的な証拠だとでも言いたいらしい。

これで「国際法上、明らかに日本領」とは、国民を愚弄するにも程があるよなぁ。またマスコミもよくもまあ、こんな話を鵜呑みに出来るものだ。

外務省が主張する第二の根拠は、江戸時代には日本人が渡航していたことが確認されることだ。

とはいえ、これだけでは韓国側の領有を否定する根拠にはならないのは言うまでもない。

たまたま記録が紛失しているか、記録自体が作られていなかったかも知れないにせよ、竹島/独島の位置関係からすれば、日韓の両岸の漁師が漁場や漁船の避難所にしていておかしくない。

韓国側で調べれば、沿岸部の漁村を歩けば地元の伝承など、独島に行っていたか、その存在を認識していた痕跡は見つかるだろうし、見つからなかったからと言って「存在しない=行っていない」の根拠とは言い難い。

今は見つかってない史料が今後出て来る可能性だってあり、国際司法裁判所としてはそれだけで「明らかに日本領」と言ってしまって、あとで新資料発見で間違いと分かっては困る。

ところがさらに外務省のサイトなどを頼りに調べて行くと、なんと朝鮮人が竹島に来ていたことを示す史料が、日本にあったのだから恐れ入る。1952年当時のアメリカ国務省は、いったい何を調べて「我々の情報では」と言ったのだろう?

他ならぬ明示の日本政府の公式文書、1877年の太政官令である。

そこには「竹島外一島(竹島と、その近くの島ひとつ)」に「朝鮮人の居留する」と明記されているだけではない。

だから「竹島外一島」は日本領ではない、と言っているのだ。

また元禄時代にも、同じ理由で、日本人の渡航禁止が、朝鮮通信使との折衝の上、幕府から出されていることも、この太政官令では補足の根拠として書かれているのだ。

1877年以降、ここは日本領ではない、と日本政府が言っていたことになる。

その理由が朝鮮人が居留/渡航するから、では、要するに1877年の時点で日本政府が竹島を朝鮮領だと認めていたという話だ

なお地名が時代とともに変わっていて、この場合の「竹島」は現韓国領の鬱陵島、「外一島」がその近くの岩礁、今でいう竹島だ。他にこの海域に、ここでいう「外一島」に当りそうな島はない。まともな歴史家は「これが今の竹島だ」と推論するし、異論の余地はなさそうだ。

外務省はこれをどう説明する気なのだ?「竹島が日本領であることは国際法上明らかだ」ではなく、真逆ではないか。

…というところでまた驚くのである。

外務省によれば、これは「架空の島」なのだそうだ。



(ここでしばらく、思いっきり笑って下さい。笑うしかないこの不条理)



そうでなくとも、率直に言って、僕は国際司法裁判所にでも持ち込めば、日本の領有正当化は難しいと思っていた。

1905年以前のことは結局、ほとんど争点にならない、出来ないだろう。

どっちの岸の漁民や船乗りが、より多く、あるいはより以前から、この海域と無人島を使って来たか、最終的に判別がつかないのだから。

先述の太政官令の話の通り、歴史記録は当時の測量技術の限界からして地図の不正確さの疑いもあって怪しい話だし、どちらが先にこの島に来ていたかなんて、確認しようがない。

資料がないからというだけでは「行っていない」と断言はできないし、今見つかってない史料があとで見つかったからって国際司法裁判所の裁定を覆せない以上、それこそ日本が1877年の自国の公文書を「架空の島」と言ってしまえるような確度のものを、国家の主権に関わる重大な裁定の根拠にはしにくい。

となれば、最大の争点は日本が閣議決定で竹島の領有を決めた1905年、日露戦争があり、半島と日本の関係では、第二次日韓協約が結ばれる前後のことだ。

言い換えれば、李氏朝鮮はすでに日本の属国、1895年の日清戦争と下関条約以来の日本の進出と植民地化圧力、このいわばゆるやかな侵略行為の一貫としてこの領有が宣言され、6年後の日韓併合に至ったという一連の歴史的・政策的流れの文脈から外して考えるのは、相当に難しい、無理筋な解釈だ。

植民地化の一貫だという解釈を排除する積極的な理由を僕は知らないし、外務省もなにも言っていない。

先述のアメリカの見解に至っては、あたかもこの領有に問題があることを匂わせるかのように、「1905年頃から日本の島根県隠岐島支庁の管轄下」とのみ記している。

最低限、日本が領有を宣言した際に、同じ島の領有を主張する可能性のある李氏朝鮮が、対抗して自ら領有を宣言できる状況にあったかどうかが疑わしいし、少なくとも圧倒的に不公平であるだけでも、国際司法裁判所としては法的に問題があると判断せざるを得ないだろう。

韓国側代理人の戦略は、シンプルで目に見えて明らかなものだが、だからこそ証拠としては確実だ。下関条約と第一次、第二次の日韓協約を証拠申請し、歴史学者を証人に招けば、一発だ。

日韓協約下の日本と李氏朝鮮の関係、日韓協約がどう運用されていたかを証言させれば、日本には勝ち目がない。

僕が韓国側代理人であれば、わざとここで日本人の歴史学者を承認申請することだって考えるほどだ。まともな学者なら、これが強圧的な属国化のなかで行われたことを、証言するしかない。

ここで「法の不遡及」とか言っても無駄だ。このような不公平さは、どんな時代の法論理でも、許容されない。

しかしもっと怖いのは、韓国側の代理人が、当然ながらこれを「日本の半島植民地化の一貫の侵略行為」と主張することだ。

だいたい、日本以外のどの国から見ても、普通にそうとしか見えない歴史の流れだろう。

…となれば、これは「竹島の領有権」を争う裁判ではもはやなくなるし、韓国側代理人は当然その流れに裁判を誘導するだろう。

それがいちばん確実に勝てる方法なのだ。その手を使わない裁判闘争なんてまずあり得まい。

どういう裁判になるかと言えば、「日本の植民地支配の罪を裁く裁判」だ。

これが韓国側の必勝の裁判戦略であり、日本側にそれを阻止する理論武装があるかといえば、まず聞いたことがない。

外務省はどうするつもりなのか?野田さん本気でやるつもりだぞ?

ここで橋下徹大阪市長あたりの、いわゆる「愛国的」な主張が大好きな自称・保守政治家が出て来てしまったら、もう終わりだ。

彼らは平気で、たとえば「日韓併合は李氏朝鮮と合意があったから違法ではない」とか言い出すに違いない−−後先も考えずに。

それをやったら日本の自爆行為なのに。

ことは竹島問題に留まらなくなるのに。

韓国側は待ってましたと言わんばかりに、日韓併合がいかに力づくで形だけの「合意」を偽装したものであったかを立証するし、その結果として朝鮮半島で何が起こったかを、裁判でとり上げさせるだけでなく、世界のメディアにも報道させるし、メディアの側も喜んで飛びつくだろう。

従軍慰安婦問題を、米の現職国務長官が「性奴隷」と明言したことすら、必死でメディアが無視する日本国内では、その自覚がないのだろうか?ある国が違法で非人道的な人権侵害、それも極めて恥ずかしい「性奴隷」を、国家権力の行使のなかで行っていた、ということなのだが…。

サンパウロのキムさんたちのような無視された韓国人の日本兵の話も出るだろうし(ソウル駐在の第20師団が贈られたのは、日本陸軍でもっとも悲惨な戦線であったニューギニアである。戦病死、餓死。人肉食事件もあった)、李大統領が竹島訪問の前に問題解決を日本に要請している、従軍慰安婦問題も、むろん取り沙汰されてしまう。

これは「竹島問題で不利」どころではない、日本に決定的なダメージを与える話だ。

戦争犯罪や植民地支配は過去の話だ。現代に生きている日本人である僕たちに、直接の責任はない。

しかしそうした過去の問題にどう向き合って来たかは、現代の日本の責任だ。

日本政府は、日韓基本条約をタテに(まさにキムさんが怒っているように)、個々人の被害者への補償を、一括して朴正煕政権への経済援助にしてしまい、以後個々人の賠償請求訴訟がある度に、日本の裁判所は「請求権がない」を理由に、事実の調査も事実認定もないまま、門前払いにして来た。

補償が払いたくないのではないだろうし、訴える側だって補償が欲しくて訴えたのではない。民事訴訟は賠償請求なしには起こせないから、事実の確認と認定の手段として裁判を起こす、そのための賠償請求だ。

元慰安婦からの訴えを、日本政府は、事実の確認もなにも怠ったまま、曖昧な形で政府ではなく「アジア女性基金」からの「償い」として札ビラを切った前科もあり、この時などはえらくなおざりな調査で、「日本側に慰安婦強制連行を示す証拠がなかった」が、強制連行されたという女性たちに配慮して、と人を侮辱するにもほどがある発表している。

しかも日本の公文書で、慰安婦徴集に軍ないし警察の立ち会いが命令されているのだ。「不正防止」という名目になっているが、そんなことを文字通り真に受けるのはあまりに幼稚な主張だ。武装した軍人や警官がいれば、それだけで強制力を発揮するのは理の当然である。

これまた子供だましの、ふざけ切った話だ。当時の日本領の朝鮮半島でも、女性を強制的に連行して売春を強要するなんて違法行為だ。

ところが挙げ句に、その「証拠がなかった」発表をもとに、「慰安婦なんてただの売春婦」「強制連行なんてなかった」と言うような不誠実極まりない話を、政治家まで口にするのが、今の日本の世論でもある。

そんなことが竹島領有裁判を通じて世界に知れ渡ったら、日本の信頼が一気に失墜する。

これでも本当に、不人気回復を狙う野田総理は、“毅然とした愛国者” ぶったポーズのために、竹島問題を国際司法裁判所に持ち込むつもりなのだろうか?

僕は今まで日本がとってきた、過去の戦争や植民地支配についての偽善的な態度は許容しがたいし、オープンに批判されるべきだとは思っている。キムさんの物語も、近々映画に撮るつもりだ。

キムさんが防衛庁(当時)で、かつての戦友のことを調査した際の、戦史資料室の写真

それでも、竹島問題の裁判をきっかけに日本が世界中からバッシングを受けるという悪夢からは、やはり逃げ出したくなる。